アイヌの人々の祈りの対象には自然だけでなく、火や水、生活道具まで含まれる。縄文の人々のそれとほぼ同じだ。北海道平取地区はアイヌ発祥の伝説に彩られた土地。アイヌの先祖は7~8世紀にオキクルミという始祖神から生きる術と文化を伝えられたという。さらにここでは縄文時代に東日本全域の石斧の材料であるアオトラ石を産出していた。内外から来た多くの縄文人が行き交っていたに違いない。オキクルミは縄文人であった可能性がある。
立山新瀬戸地区に隣接する吉峰には祭祀を行った縄文遺跡があり、彼らの偉業である一万年の平和に思いを馳せることができる。