立山山麓の里山の静寂さのなかの一瞬の表情。夕暮れ時の沈む太陽や雪にすっぽりおおわれた家々、風を受ける花々はなつかしさや永遠のときを感じさせてくれる。
指揮者オットークレンペラー、歌手アンネソフィーフォンオッターがこれ以上はない遅いテンポと弱音で表現する静寂さと神秘の世界。一休禅師の書のかすれの、千利休のそうであったと思われる、ゆったりした所作の世界も同じなのかもしれない。
里山の風景と芸術家の作品はこころの古い記憶を呼び覚ますという点で共通するようだ。里山には都会にはないこころを癒やすちからがある。